わが唯一つの望みに A mon seul désir
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貴婦人と一角獣(Wikipediaよりお借りしました) |
見て、聞いて、触って、嗅いで、味わって・・・
生まれてから死ぬまでに受け取る、喜びと苦しみ。
それらの咀嚼によって、
心の琴線の数がふえていくことが
じつは本当のゆたかさなのだとしても。
ショックや悲しみ、孤独感、苦しみ、悔しさ・・・
とても書ききれないほどの、いろいろな心の痛みに
耐え切れず、人は命を捨ててしまう場合さえある。
その中でも手ごわいのは、絶望。
わたしの本当の望みはもう、けして叶わない。なぜなら・・・
という思い。
「・・・」の部分は人それぞれ。
でも、さらに手ごわいのは、
自分が絶望していることに気づけないとき。
絶望していない「フリ」をしている自分に気づけなくなっているとき。
本当の望みが何なのかを見失っているとき。
罪悪感や自己否定や逃避や恐怖などを手放して
本当の望みをきちんと自覚して受け入れることができたなら。
「だけど私の本当の望みは○○なのだ。」と、
どんなときにも自分の本当の望みを心から肯定できたなら。
ほんのすこしずつでも、本当の望みに心をひらいて
そこから愛と勇気を呼吸しはじめたなら・・・
その望みには、
宇宙のすべてのものが協力してくれるでしょう。
昨晩、NASAの探索機「ニュー・ホライスンズ」が、
48億8000万キロを9年半かけて冥王星に最接近したそうです。
人類史上初めて、冥王星の姿をはっきり見ることができるとか。
このことは、とても象徴的です。
冥王星は占星術の世界では
死と再生の極限のパワー、徹底的な変容、人智を超えた高次の力、
根源的な欲求、前世とカルマ、宿命などを司ると言われています。
占星術家の東海豊さんは
「冥王星は唯一つの究極の願いを表します」
と仰っていました。
そして今日、占星術家の竹内俊二さんが今回の冥王星の件について
書かれていた記事にもとても同感でした。
冥王星の姿がはっきりと把握されることは、
人々が、自分の中の「唯一つの究極の願い」に意識が届くようになることを
象徴しているように思えるのです。
個人個人が自分の中の究極の願いに触れることによって
それこそ人類全体が、よりしあわせな方向へ変容することになるんじゃないかなと感じます。
記事上部にアップした画像は『貴婦人と一角獣』の6枚目のタペストリー。
絵の中に「A mon seul désir(わが唯一つの望みに)」と書かれ、
その望みが何を示すのかは謎に包まれたまま、あきらかにされていません。
まるで見る人に
ところで、あなたの唯一つの望みはなんですか?
と問いかけるような、うつくしい謎のタペストリーなのでした。